ブロック塀による土留め2回目①:基礎部分を簡易的に施工
前回の記事でアプローチの問題点を列挙した。
まずは以前も施工した
ブロック塀を作り土留めとする作業
から着手することにした。
その流れについては以前の記事で紹介している。
最初に施工したブロック塀は、不動産屋や左官職人にも見てもらっているのだが、そのどちらも
ここまで頑丈に作らなくとも倒れてくることはない
という主旨の評価をもらっている。
その点も考慮して今回は以前と比べて、手軽な施工で行いたいと思う。
1.使うブロックは厚み10センチのC-10ブロック
コンクリートブロックはその厚みによって種類がある。
C-10、C-12、C-15。
それぞれ厚みが10センチ、12センチ、15センチという意味だ。
以前施工した塀は土留めということから耐久性が必要と考え、万全を期してもっとも厚いC-15を使用した。
だがプロの目から見るとそれはやり過ぎのようで、今回のような3段の塀で建物からも距離がある場合はC-10のブロックで十分らしい。
厚みが薄い方が価格も安くなるし、重量も軽くて扱いやすい。
どんなホームセンターでも扱っているので調達も楽である、など作業効率は上がる。
2.基礎は砕石を敷いて鉄筋を直接地面に打ち込む
基礎部分は以前とほぼ同じように
(1) 穴を掘る
(2) 砕石を敷き固める
(3) 鉄筋を立てる
(4) コンクリートを流し込む
という流れで行う。
今回必要な塀の全長は約4メートル。
カーブさせる必要がある点は以前と違うところ。
穴を掘るのは剣スコップ1本で可能。
以前重機で埋め戻した部分なので掘ることは簡単だった。
できるだけ塀の高さは以前作ったブロック塀とも揃えたい。
そのためにブロックの基礎部分も、以前のものと統一させる必要がある。
基礎の高さを塀全体で合わせるためには、しっかりと「水盛り」を行い基準となる高さを「水糸」で出さなければならない。
この点を以前は怠り、あとでリカバリーに手間取った。
基準の糸を貼るためには鉄筋を立て、そこに水糸を結ぶことが手っ取り早い。
そして鉄筋を立てる場合、その感覚はブロックを仮置きしてみないと正確には分からない。
そのためこの段階で必要になる量のブロックを調達しておく。
塀の始点から終点まで計算通りブロックが並べられるかを、実際に置いて確かめる。
どうしてもハマらない部分は出てくるもので、その場合はコンクリート用のタガネを使ってブロックを削ってハメ込む。
仮置きができたらブロックのジョイント部に鉄筋を打ち込んでいく。
鉄筋の間隔はブロック2つにつき1本で十分だ。
この時点で可能ならブロック3段目まで届く長さに調整し、鉄筋を地面に差していきたい。
その長さが足りなくとも後でリカバリーは可能だ。
ゴムハンマーで叩いて十分な長さを地面に打ち込む。
鉄筋が固定できたらブロックを外し、バケツと透明なホースを使って各鉄筋の基準となる高さを出す。
そこから計算して
砕石の厚み+コンクリートの水面
分の位置に水糸を張る。
要は
この基準線までコンクリートを注ぎ込めば基礎が水平になる
というわけだ。
水糸が張れたら穴の底に砕石を敷き詰める。
砕石を固めるためにはできればタンパーなどを使うのが良い。
以前は自作したタンパーを使ったが、今回は範囲が狭いこともある太めの木の棒で簡単に固めた。
砕石の厚みについては糸との距離を見ながら大体で合わせれば十分だ。
3.手練りでコンクリートを流し込む
以上の作業が終わればいよいよコンクリートを流して固めるだけだ。
以前ブロック塀を施工したときは、必要量が約0.3立米になり、コンクリートづくりの経験もなかったことから、ミキサー車を呼んで直接流し込んでもらった。
今回必要になるのは0.15立米程度。
量的にも手練りで十分いけると考えたが、それでもコンクリートを練るのは重労働だと聞いている。
より効率的に作業するために2つ道具を用意した。
それは
コンクリートを練りと運搬に使える一輪車
練りクワ
である。
一輪車は色々なタイプがあるのだが、左官作業に使えるのは「深型」のものだ。
これは容量も大きく中でコンクリートやモルタルを練るのに適した形をしている。
練ったものを穴に直接流すことも簡単だ。
さらに練りクワだが、これまで使っていたスコップに比べて非常に混ぜやすい。
一輪車でもトロフネでも効率が変わる。
そして材料を混ぜていくわけだが、コンクリートは「セメント・砂・砂利」の3つからできている。
材料の割合については色々な意見があるのだが、私は今回
セメント:砂:砂利=1:3:3
とした。
この割合を砂利だけ6にする方法もあるが、それはかなり混ぜにくいそうだ。
1:3:3でも十分な強度は出るし、経済的なのでこれを採用した。
そして混ぜ方だが、まずは砂とセメントだけで十分に混ぜる。
ムラがなくなればそこに砂利を入れてさらに混ぜる。
それも混ざったと思えば、最後に水を少しずつ加えていくのだ。
一輪車1杯分作ろうとすると、どうしても底に混ざっていない材料が残りがちになる。適宜底まですくって混ぜるようにしたい。
コンクリートの粘度はそれなりに水っぽさが必要だ。
硬すぎては基礎を平らにできなくなる。
作ってすぐは水っぽく感じても時間が経つと水分が浮いて、底に固形物が溜まる。
流す前に再度かき混ぜる必要がある。
あとはひたすらコンクリートを作って穴に流し込むだけだ。
流し込みに時間をかけすぎると、最初に入れたものが先に固まってしまう。
仕上げで表面を平らにしたいなら、時間との勝負だ。
この作業はできるなら二人以上いたほうが、練る役とならす役を分担できて効率的だろう。
流し込んだら穴の隅々までコンクリートを振動させながら行き渡らせる。
水糸に合わせて水面をならし、表面を仕上げコテでできるだけ平らにする。
全長4メートルの穴に流し込んだコンクリートは、一輪車6杯分だった。
大変なのは何よりも材料を練る段階。
モルタル以上にコンクリートは重く、ムラなく混ぜるのは重労働だった。
4.おわりに
コンクリートを自分で練ることについては、道具があれば十分に可能だと思う。
肉体的にはしんどいが、作り方自体は単純でコストも安い。
今後は多少の量なら自分で作れるという実感が得られた。
前回これらの作業で犯したミスは
水糸を張らないままコンクリートを流し込んだ
ことだった。
そのために基礎の水平はメチャクチャで、後から修正することに苦労した。
今回も完璧ではなかったが、前回よりはマシな誤差に落ち着いていると思う。
次回は固まった基礎の上にブロックを積み上げていく。
量はブロックが合計で30個。
肉体的には相当ハードだが、気合で乗り切るだけだ。
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