DIY大家の覚え書き@TOYAMA

富山にて不動産投資で経済的独立を目指す戦いの記録

書評:「フランクリン自伝」③:決断、節約、勤勉

 これまでに2回「フランクリン自伝」を紹介している。今回が3回目。

 

フランクリン自伝 (岩波文庫)

フランクリン自伝 (岩波文庫)

 

 

 十三徳の4つ目から6つ目の徳である

   決断、節約、勤勉

を取り上げ、考えてみたい。

 1.決断「なすべきことをなさんと決心すべし。決心したることは必ず実行すべし。」

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 目標や計画を立てることと、その実行についての徳。

 まず何よりも自分の目標を樹立しなければ、行動が伴わない。

 自分のなすべきことは何なのか、これを自分に問いかけろ、ということだ。

 目標にも段階がある。長期、中期、短期くらいに分けられるだろう。

 最終的には長期的な目標を達成するために、他の目標を段階を踏んでクリアしていくということだ。

 目標を設定したら次はその実行だ。

 「規律」の徳で、仕事はすべて時を定めてなすべし、としている。

 これらの目標も、無期限であっては達成しようというモチベーションは湧かない。

 目標の期限も設定し、逆算して日々行動するのみだ。

 

 私も長期的な目標として、経済的独立を設定している。

 その達成のための下位目標として、不動産事業の拡大などを具体的に決めており、さらにその下位目標として、今年、今月、今日の目標が設定される。

 最上位の目標達成のために、他の目標がピラミッド型になっている。

 目標のピラミッド化GRITで深く語られている。

 

  この構造がバラバラであれば、自分のリソースは分散し、計画が前に進まない。

 

 なぜ年初に立てた目標の大半が三日坊主に終わるのか。

 

 大抵の場合は、本心ではその目標を心から達成したいとは思っていないからだ。

 正確に言うとそれは目標ではなく願望というのが正しいだろう。

 まるで宝くじが当たるのを願うかのように、ダイエットできたらいいな、と思っているだけなのだ。

 しかし、そのための現実的な努力はしたくない。三日坊主になって当然である。

 

 自分が心のそこから達成したい目標を決めることができれば、途中で投げ出すことはできないはずだ。

 だが自分の本心にアクセスすることは意外と難しい。

 日記などで常に自分の心に問いかけなければ、上っ面の願望しか見えてこないからだ。

 そして自分が心から納得できる目標を掘り起こせたら、それを果たすための様々な犠牲や困難を覚悟する。

 これが決断となり、実行に繋がるのだと思う。

 

2.節約「自他に益なきことに金銭を費やすなかれ。すなわち、浪費するなかれ。」

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 金の使い道について、浪費を戒める徳。

 ここで重要なのは、浪費か否かの判断基準だ。

 まず誰にとっても益のない使いみちは、ギャンブルや贅沢品だろう、これは迷うことはない。

 しかし人によって判断が分かれるであろうものは多い。

 新築のマイホーム、結婚式、車、趣味……

 私の職場の同僚などは、これらに金を費やすことについて何の疑問も持っていないようだし、有益だと思っているはずだ。

 だが私はこれらに金を使うことは、益がないことだと確信している。

 判断基準が全く異なるわけだが、なぜそんな違いが生まれるのか。

 これは先に述べた

   目標設定の有無

が原因である。

 経済的独立を最上位目標に掲げた場合、これらに金銭を費やすことは、明らかに目標に反する結果となる。

 その目標を明確にしているからこそ、すぐに浪費だと判断できるのだ。

 明確な目標や将来のビジョンを持っていない限り、その判断はできない。

 

 不動産事業での成功を志すものなら、この節約の徳を身につけることは、さほど困難ではないだろう。

 物件を買うためにはある程度の種銭がいる。

 節約が身についている人でないと、数百万円を貯金し、最初の物件を買うことすらできない。

 

 また「自他に益なきこと」と書いてあるように、他人の利益になる出費は問題がない。

 目標達成に寄与するなら、他人の利益になることを進んで行うべきだ。

 不動産事業は他人との繋がりが欠かせない、機会を捉えて贈り物などもするべきだと思う。節約とケチは違うのだ。

 

3.勤勉「時間を空費するなかれ。つねに何か益あることに従うべし。無用の行いはすべて断つべし。」

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 金に続いて時間に関する徳。

 時間も金と同じく、有益か無益かの判断は目標を定めることなくしては不可能だ。

 金と時間。

 限られたリソースを最適に活用するためには、まず「決断」し、目標を盤石に固めておかなければならない。

 

 フランクリンの生活ぶりはどうだったかを引用しよう。

 翌日の仕事のために活字の解版が終わるのは、大抵夜の11時すぎ、時にはもっと遅くなることもあった。

 

 「あのフランクリンのように働く者は、私はついぞ見たことがない。何しろ私がクラブから帰る時になってもまだ仕事をやめないし、朝はまた朝で近所の人が起きない中に、もう働いているのだからね」

 

 私は実際によく働き倹約を守ったばかりでなく、かりにもその反対に見えるようなことは努めて避けた。着るものは質素なものに限り、遊び場所には絶対に顔を出さなかった。釣りにも猟にも決して行かなかった。

 

 読書だけが自分に許した楽しみで、私は酒場へも行かねば、勝負事もせず、その他どんな遊びにも時を費やすことがまったくなかった。

 ここまで徹底できる人間はなかなかいないだろう。

 この勤勉の徳を守るためには、「沈黙」「規律」「決断」それらの徳も強くなければならない。

 

4.おわりに

 フランクリンの生き方を実践できれば、誰でも、どんな分野でも成功できるだろう。

 しかしこの生き方を実行し続けることは、並大抵のことではない。

 今回読み返していてつくづく実感する。

 だが少しでも身に付けていくことは、誰にでもできることだ。

 まずは目標を「決断」することから始めてほしい。

 

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