DIY大家の覚え書き@TOYAMA

富山にて不動産投資で経済的独立を目指す戦いの記録

中古エアコンの設置①:背板の設置と冷媒管の接続ミス、フレアの破壊

 この記事を執筆している2020年8月、夏真っ盛りで気温は連日35度近くにまでなっている。これまでリフォーム中は扇風機のみで凌いできたが、流石に限界を感じ、エアコンの設置を行った。

 1号物件においても設置の経験はあったのだが、作業からはどうしても期間が空いてしまう。次に作業をするときの自分用のメモとしても、その工程を詳細に書いていきたい。

 1.エアコンをDIYで設置する費用対効果

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 エアコンを設置する作業はDIYの中でも難易度が高い。理由としては何よりも

   第二種電気工事士の資格が必要

ということにある。室内機と室外機を繋げる電気的な配線は、感電や漏電のリスクが伴うため無資格者には許されてない。作業自体は簡単であるが、他人に貸す物件だ。自分が住むならともかく、万が一のことがあってはならない。必ず有資格者が行うようにしよう。

 電気工事士の試験自体は毎年2回全国で行われている。筆記試験に通過した人は、実技試験に挑むことができる。試験の難易度は筆記実技共に、一ヶ月前から勉強すれば十分に合格できるものだ。

 この資格があればエアコン設置のみならず、物件のコンセントやスイッチ、天井照明の端子を交換できる。ボロ物件を直すなら意外と活用の場は多い。長期的にDIYを行っていくなら資格を取得しておいて損はないだろう。

 

 エアコンに関してDIYの費用対効果はどうか。これも長期的な視点で見ないと割に合わないだろう。

 エアコンを設置するためには専用の機材がいくつも必要になる。

  ・真空ポンプ+マニホールドゲージ 

 

  ・フレアツール

  ・トルクレンチ

  ・冷媒ガス

ある程度省けるものもあるが、最も高価なポンプとゲージは欠かせない。ネットで使いうたびにレンタルできるサービスもあるので、最初はそういったもので試してみるのが良いかも知れない。

 また安く仕上げたいなら、エアコン自体も安く仕入れる必要がある。使うのは当然中古になるが、メルカリなどのフリマアプリやジモティーなどで、普段から割安のものを探す必要がある。当然手間がかかるのでそういったことが面倒であれば、最初から新品を業者に設置してもらうほうが楽だ。

2.石膏ボードの穴開けと室内機背板の設置

 それでは作業に移る。

 2号物件でこれまで設置されていたのは1996年製のエアコンが一台のみ。取り外し自体はどのエアコンも同じで「ポンプダウン」という作業が必要になる。室内機と室外機、冷媒管内に充満したガスを室外機に送り込み密閉する作業だ。古い機種でも各メーカーごとに同じ操作を行えば簡単にできる。

 ポンプダウンを怠ったまま冷媒管を外そうとすると、そこからガスが吹き出す。

 恐らくどんなに古いエアコンでも、ちゃんと工事がされていればガスが空になっていることはない。必ずポンプダウンを行うことだ。私は過去にいきなり冷媒管を切断して全身にガスを浴びたことがある。浴びたのが室外だったからまだ良かったが、ガスは液化するので室内に吹き出すと部屋がメチャクチャになってしまうだろう。

 

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 写真は屋外から見た既存の配管用穴である。以前の室外機はキャッチャー上に設置されていたが、一人で地上1.5メートルまで持ち上げるのは困難なので地面に置くことにする。

 室内側は砂壁に石膏ボードを上貼りしてある。そのため石膏ボードの部分だけ穴は空いていない。室外側から穴の中心にキリなどを通し印を付ける。穴の大きさを測り、サイズに合ったホールソーを使って貫通させる。

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 この時点で穴には、室内側が高く、室外側が低くなる勾配を付けられると良い。この勾配は後から通すドレン管内を水が流れるようにするためのものだ。

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 貫通後は穴に合ったスリーブを通す。これで通す配管や石膏ボードが傷つくことを防止できる。

 続いては室内機側に背板を設置する。

 背板には配管穴の位置が書かれているので、それに従って設置すれば迷うことはないだろう。ただ設置場所が柱と柱の間などでスペースに余裕がない場合、エアコンの購入時点で十分なスペースが確保できる機種を選択しなければならない。

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 背板は水平を確実に出しておく。まずは背板の中心にビス留めし、水平器を載せながら左右を調整して他をビス留めしていく。

 このビス留めだが、今回の下地は砂壁の上から石膏ボードを貼っている。砂壁面は恐らくラスボード上にモルタルを塗っているため、固く厚みがある。今回は長めのコーススレッドを大量に打ち込み、板がグラつかないことを十分に確認しているが、本来なら廻り縁などに設置するための金具で設置するのが望ましいだろう。

3.配管をどうやって繋ぐか

 穴を開けられたら次は配管作業だ。今回の中古エアコンは配管も付いており、長さも十分に足りるのでそのまま使うことにする。

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 まず室内機のドレン管は左右の付け替えが可能だ。穴の位置に合った方向へ付け替えて、使わない方の穴はキャップで塞いでおこう。そうしないと水が壁から滴り落ちることになる。

 その上で配管をどうやって接続するかだが、基本的には

   室内機側の短い部分を外に出し、屋外で結線するべき

である。私は今回長い配管を先に通し、室内側で結線しようとしたが、それでは非常に作業がしづらい。室内側の線が外に出るだけの長さがあるなら、最初から穴の外へ出した方が良い。

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 この配管は非常に扱いづらく、穴へ通すのも一苦労だ。今回の写真では室内で接続しているが、結果的には私も屋外で接続する形でやり直している。

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 工具を用意して電線と冷媒管の接続に移る。

 既存の配管を使えるなら、冷媒管のフレア加工などは必要ない。比較的簡単に作業は終えられるだろう。

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 三色の電線をスリーブを通し、圧着工具でかしめる。そのあとは絶縁テープを巻いて保護しておく。

 冷媒管にはフレア部分の密着性を高めるためのグリスのようなもの「ナイログ」を塗る。 

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 フレアナットをある程度手で締めて、最後の増し締めをトルクレンチで行う。

 小型エアコンの配管は「ペアコイル」と呼ばれる。ほぼ冷媒管のサイズは共通しており、細いものと太いもので別れている。それぞれ独特の呼び方があり

   細い方が2分(にぶ)

   太い方が3分(さんぶ)

となる。これは表記がインチなどで異なり素人はしょっちゅう混乱させられる。家庭用のエアコンに使われるサイズは2分3分、と覚えておくと良い。

 手で締める段階でも冷媒管を真っ直ぐに繋げないとナットが回らない。手で限界まで締めたら次はレンチを使う。ナットに合ったサイズのレンチに加え、固定用としてモンキーレンチも使う。

 以下の写真のようにして締める側のナットにトルクレンチ固定用ナットにモンキーレンチを挟み、増し締めする。私はこれまでトルクレンチを使わず、2本ともモンキーレンチで締めていた。それでもガス漏れなどはなかったが、今回からはより確実にしたかったのでトルクレンチを使用してみた。

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 しかしその結果、強くナットを締めすぎてフレア部分を破壊してしまった……

 基本的にレンチが「カチッ」と鳴るまで締めれば良いのだが、工具独特の癖などがあるのだろうか。いずれにしても事前に練習しておくのが無難だと実感した。

 フレア部分が壊れては接続はできない。私はすぐにフレアツールを発注し、届くまでは真夏の暑さに耐えることにした。

4.おわりに

 DIYでリフォームしている人でも、エアコンの設置を年に何度も行う人は少ないだろう。前回の作業から半年も経てば、どうしても要領を忘れてしまう。自分なりのメモを作って毎回見返すようにした方が効率は良くなるはずだ。

 次回はフレア加工から真空引きなどを行っていく。

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