タイル張りの風呂をリフォーム③:壁のタイルをペンキで塗装
前回の記事ではタイル張りの床にシートを貼った。
それに続いて今回は壁のタイルをペンキで塗装していく。
本来タイルにペンキなどは塗るべきではない。何の下地処理もせずに塗ってしまえば少し擦るだけで剥がれるだろう。そこで役立つのが「ミッチャクロンマルチ」である。
今回はミッチャクロンがタイル面に、どの程度効果があるのかを紹介したい。
1.まずはタイルに試し塗り
今回行うタイルにペンキを塗る、という手法はプロからすれば勧められたものではない。しかし、ツイッター上の大家の中では何人かがこの手法でリフォームをしている。詳細な作業工程が記されているものは見つけられなかったが、大体の人は
タイルにミッチャクロンを塗る→乾いたらペンキを上塗り
というパターンのようだ。恐らくこれだけの方法でも少し擦った程度で剥がれることはないのだろう。しかし現場の状況は人それぞれ違う。できれば初めて行う作業はテストをしてから、本作業に移りたい。
そこで今回はタイル数枚に試し塗りをすることにした。
まずはタイルをサンドペーパーで荒らす。最も荒い40番手でひたすら擦る。しかし、タイル表面に傷はつかず削れている感覚がない。とはいえサンディングした部分を触ってみると、していない部分よりもツルツル具合が鈍くなっている。他の部分は摩擦がほとんどないのに、擦った部分は指が引っかかる感触だ。これが効果的なのかは分からないがしないよりはマシだろう。
次にその部分に「ミッチャクロンマルチ」を塗る。
タイル面は塗料を吸収しないので塗るのは最低限の量で大丈夫だ。夏場はあっという間に乾燥する。
乾燥したらミッチャクロンの上にペンキを試し塗りしていく、
まずは余っていた青色の水性ペンキを塗ってみた。
ペンキを塗ってから数時間後、ペンキを爪で引っ掻いてみる。傷は付かない。
次にマスキングテープを貼って、勢いよく剥がしてみる。テープにペンキは付かない。予想外に耐久性はありそうだ。
この試し塗りについて、ツイッター上で貴重な意見を頂いた。
周囲に建物がない戸建てなんかだと油性の方がいいのですが、マンションや周囲に建物がある場合は水性をおすすめします😊✨
— ミルクティ@塗装 (@blackmenthol711) 2020年8月9日
カビキラーなんかで洗浄後プライマー入れて塗装すれば問題なく食い付くと思います🎨
どうやら水性よりも油性の方が確実なようだ。早速余っていた油性ペンキでも試し塗りをしてみる。
油性ペンキでも全く傷はつかず、テープにも耐える。油性であれば普段水に塗れる場所でも耐久性はあるだろうと判断し、油性で施工することに決定した。
また水性ペンキだが、このあと青色のペンキを落とすために水で濡らした雑巾で擦ったところ、結構剥がれてきた。まだ塗って時間が経っていなかったからかもしれないが、やはり油性の方が確実だという思いを強くした。
2.タイルの下地処理
塗装の出来を決めるのはほとんどが下地処理。流れとしては
(1) タイルに設置された鏡や棚を外す。
(2) 床や窓枠の養生。
(3) タイル面のサンディング。
(4) タイル目地などの欠けを埋める。
(5) 洗剤でタイルを掃除。
(6) 全面にミッチャクロンを塗る。
となる。
壁のタイルは天井から床まであるのでマキタの「仕上げサンダー」を使う。
タイルの目地などに欠けが目立つので、マスキングしてから補修用のモルタルで埋めていく。コーキングと同じ要領で指で目地をならす。
タイルにカビや汚れが残っていては塗料のノリが悪くなるので、きちんと洗剤を使って掃除をしておく。それが乾いたらいよいよミッチャクロンを塗る。
壁に塗るということで使うのはローラーだ。
私はこれまでミッチャクロンをこれだけ広範囲に塗ったことはない。今までは小物にしか使ったことがないので、正直あの臭いがどこまでのものになるのかは不安だった。
「相当な臭いが部屋に充満するので、換気を徹底するように」
というミッチャクロンに対する意見はネット上でも散見される。そのため今回は窓を開け、扇風機も設置し、マスクを着用という万全の状態で望んだ。
ローラーに含ませて塗っていくと、壁の吸収性が悪いため少量でかなりの範囲が塗れる。一部屋を塗ったとしてもそこまで消費しないだろう。しかし広範囲に塗ったことに伴うニオイは強烈だった。
溶剤系の独特のニオイ。明らかに人体に悪いであろう、吐き気とめまいを催すこのニオイ。扇風機の効果が全く感じられない。たまらずすぐに風呂を出る。長時間この作業を続けるのは危険だと体が反応している。
オススメなのは塗っている最中は呼吸をしないことだ。一気に塗って、すぐに外へ出る。息継ぎを十分にしてから、また息を止めて塗りに戻る。一度に塗れる範囲が広いからこそできる方法だ。
ミッチャクロンの乾燥時間は短い。夏場であれば1時間も経てば完全に乾いているだろう。
3.油性ペンキを塗って仕上げる
後はひたすらペンキを塗っていくだけだ。油性ペンキでも一回でムラはなくならない。最低2回は塗る。塗る工程は基本通り、角や端はハケで最初に塗り後からローラーでムラをなくすように仕上げる。夏場はペンキの乾きも早いので作業効率は良いだろう。
部屋全体で0.5坪の風呂。天井から床までのタイルが4面。
1.7リットルのペンキを1缶購入し、全体を二度塗りしたところペンキの残量は約0.3リットルだった。
塗った後のペンキには触れないように。完全に乾くまではくっついて剥がれてしまう。
見事に全面真っ白く仕上がった。古ぼけたピンク色よりもかなり見栄えは良くなった。これが数年間剥がれずに保ってくれることを祈るばかりだ。
4.おわりに
今回の仕上がりは非常に満足感があった。パネルを貼ることに比べると非常に低コストで仕上げることができ、かつクオリティも保てている。これがどの程度まで保つのかは長い時間がかかるかもしれないが、必ず報告する。
もし挑戦したい人がいれば、ペンキが剥がれてくるリスクを承知の上で行って欲しい。次回は残った水栓を取り替えて風呂場のリフォームを完了したい。