古いエアコンの取り外しと新しい石膏ボードの貼り付け
1号物件の部屋には1台エアコンが設置されていた。
このエアコンは製造年月日を見るに20年近く前のものだった。
本体は黄ばみ、見るからに汚い。
このままでは客付けには使えない上、壁紙を貼り替える際にも邪魔だと判断し取り外すことにした。
1.エアコンのポンプダウンと取り外し
エアコンの取り外し方法を調べてみると、まずはポンプダウンというものを行う必要があるらしい。
これはエアコンの冷媒ガスを室外機に封じ込めるための作業らしい。
元々エアコンは室内機と室外機が冷媒管で繋がっており、その間には冷媒ガスが循環している。
それを室外機に全て送り込んだうえで、室内機と室外機の接続を切る。
そうしないままに2つの接続を切ると冷媒ガスが噴き出し、大気中に放出されてしまうようだ。
この手順自体はどの機種もほぼ共通で、メーカーごとのやり方は検索すればすぐにわかった。
その手順通りにやれば15分もかからずに終わる。
ただ面倒だったのは、その後の室内機の取り外しだ。
冷媒管自体は銅製だが多少大きなニッパーなどがあれば切断できる。
ドレイン管や電気コードも同様だ。
外壁側と室内の接続部分で管をまとめて切断して外す。
そうすれば室内側からも簡単に外せるようになる。
室内機は壁に固定された背板に乗っかっているだけなので、少し持ち上げれば外せる。
慣れれば簡単な作業なのだが、この時は初めてということもありうまく管が室内側に抜けず、力任せに引っ張りすぎた。
結果、石膏ボードに開けた管用の穴が大きく広がり、その一面は壁紙を貼り直せる状態ではなくなってしまった。
そのためやむを得ず、そこの古い石膏ボードは壊してしまうことにした。
2.石膏ボードの取り外し
壊してみると下地として横方向の木材が見えた。これに新しい石膏ボードを留めていければ問題ない。
壁の中に一切断熱材が入っていないのもどうなのか、とは思ったが、ここだけ入れてもしょうがないだろうと思いそのまま石膏ボードを貼ることにした。
この一面は床から天井までの高さが245センチ程度だ。
ホームセンターで売られている石膏ボードはサブロク規格なので
180+65=245
となり、石膏ボードが1.5枚分必要になる。
ただここで注意があり
2枚の石膏ボードの継ぎ目に下地が重なるようにする
ことである。
単純に180と65で貼り合わせようとすると、高さ180付近に今回の場合下地がこないのだ。
だからその点を調節して石膏ボードをカットする必要があったわけだ。
ここで用意した道具は
大きめのカッター、長さ1メートルのスケール、ボードやすり
である。
石膏ボードの構造は、固めた石膏の表面を紙で包んだもので、表面の紙を切ればポキっと折れるようになっている。
手順とすれば
⑴ カットするサイズに線を引き、それに従ってカッターで切る
⑵ ボードを裏返すなどして、切った部分からボードを反対側に折る
⑶ 折った状態で反対側の紙をカッターで切る
⑷ 切断面にやすりをかける
というやってみれば非常に簡単な手順で切断可能だ。
下手に丸ノコなどを使うよりキレイらしい。
そして下地にボードをビス留めしていくことになる。
ところで、古い石膏ボードを壊して、新しく貼りかえることはレアケースだと思う。
あったとしても古いものの上から、上張りをするくらいではないだろうか。
そんなときに重宝するのが下地を探すための
2つである。
センサーの方では、石膏ボードの上から押しあててずらしていくと、下地があるところで反応する。ただこれはある程度の範囲を示すもので、微妙なずれはどうしても生じてくる。
そこでピンポイントで探せるのが、どこ太だ。
これは石膏ボードに針を刺して、下地があれば針は最後まで押し込まれず途中で止まる仕組みになっている。
その2つを組み合わせれば、確実な場所を探し当ててビス留めできるようになるわけだ。
しかしこれらにも弱点はあり、私の経験上だが
ということである。
だから砂壁のようなモルタルを含んだ壁には不向きであり、そのようなケースで私はモルタルがない部屋で下地を出す。
同じ建物なら下地の位置をわざわざ変えるわけはないので、モルタルの壁は大体でビスを試してみる。
そうすればそこまで外すことはないはずだ。
今回のように古い石膏ボードを壊した場合、その処分を考える必要がある。
石膏は全国どこの自治体でも燃えるゴミ扱いにはならず、産業廃棄物となるだろう。
これは普通のゴミステーションに出すことはできず、専門のリサイクル業者などに引き取ってもらう必要がある。
現場まで回収を依頼することも業者によっては可能だろうが、DIYで出る量なら直接業者に持ち込むのがベストである。
ここで注意が必要なこととして
古い石膏ボードと新しいものを区別して持ち込むこと
である。
壁紙を貼ってしまった後の廃石膏ボードは、リサイクルできず、埋め立てごみ扱いになるため処分費用が高くなる。
それに対し新品の石膏ボードの端材は、リサイクルが可能なので、費用が安くなる。
これを一緒のガラ袋に入れて持ち込んでしまうと、全て廃石膏ボードとして計量されるので無駄な出費となる。
よって
古い石膏ボードは砕いてガラ袋
新品の石膏ボードはカッターで切った板のまま持ち込む
形がベストだろう。