ふすまへの壁紙貼り:間仕切り用ふすまと板ふすま
築古の物件は和室が多く、そのため当然ふすまも多い。
部屋の間仕切りや押入れなど多くの箇所に使われている。
長年貼られているふすま紙は大抵が変色したり、表面が傷ついていたりしてそのままでは清潔感に欠けるものだ。
リフォームの際、壁紙を貼り替えるだけでなくふすまも貼り替えたいのだが、ちゃんとしたふすま紙は高価だ。
量産型の壁紙と比較すると
ふすま紙2m 1,500円程度
壁紙2m 200~400円程度
となり余程のこだわりがない限り壁紙で済ませたいところだ。
もちろんデザインや施工のしやすさはあるのだろうが……
1.ふすまの状態と作業方針
ふすまの状態としては極端に汚れているわけではない。
遠目からならそこそこキレイに見える。
だが近くで見ると黄ばみはあるし、デザインも古臭い。
リフォームの方法としては2種類ある。
(1) ふすま紙を剥がし壁紙を貼る
(2) そのままペンキを塗る
作業的に手っ取り早いのはペンキを塗ることだ。
枠もまとめて塗りつぶすのが早い。
しかしこの方法は下地のふすま紙の状態が良好であることが必要だ。
破れなどがあるとペンキを上塗りしてもその部分が目立つ。
2号戸建でこの方法を試したのだが、ペンキを3度塗りしてムラをなくしたが、下地の荒れは誤魔化せなかった。
そのため今回は壁紙を貼る方法を試すことにした。
2.古い紙を剥がす
基本的にふすま紙は周囲の木枠に巻き込む形で貼られている。
正しい手順は枠を外してから貼り替えを行う。
多少手間はかかるが確実な方法だろう。
今回は一部のふすまをこの方法で貼り替えた。
枠を外す際はハンマーがあれば良い。
ただ直接枠を叩くと傷つくため当て木をする。
このふすまは和室と和室の間仕切りになっているため、中に障子窓が付いている。
この窓は雪見障子の可動部と同じ構造なので、左右のどちらかに寄せると簡単に外せる。
引手もスクレイパーとペンチで釘を抜き、取り外す。
本ふすまの紙はかなり簡単に剥がせる作りになっていて、下地の状態に戻すのに大した手間はいらなかった。
茶色の下地が見えたらその状態を確認しよう。
下地まで穴が空いていることが十分ありえる。
補修用のチリ紙を切り貼りして穴を塞いでおこう。
またこの間仕切り用ふすまとは別に、押入れなどに使われている板ふすまもあった。
これは下地がベニヤ合板であり、ふすま紙が合板に直接貼られているため剥がすのが大変だ。
剥がす際は壁紙と同じように霧吹きとスクレイパーを使おう。
3.壁紙をふすまに貼り付ける
下地をある程度キレイにできたらあとは壁紙を貼り付けるだけだ。
要領は壁に貼るときと一緒。
ただ建具類に貼るときは、建具を外し作業台の上に置くなりしたほうが作業はしやすい。
枠を外した場合は壁紙の乾燥後、枠をはめる必要があるため薄めの壁紙を使おう。
末端の処理も厚みが出ないように切っておくと良い。
壁に貼ったとき以上にのりが乾燥するまではシワが出てしまう。
また下地が合板であれば枠を外す必要性が感じられなかった。
枠がある分壁と同じ要領で貼り付け、カットができるので効率が良い。
この場合枠との境界にはコーキング剤を使わないと汚くなるかもしれない。
あとは壁紙が乾いてシワが伸びれば引き手を取り付けて完成だ。
4.おわりに
ふすまの貼り替えは地味に労力がかかる。
手間としては壁以上と考えた方が良いだろう。
貼る面積が少なくとも細かい作業が増えるのだ。
だが作業後の印象に与える影響は壁と同様に大きい。
避けて通ることはできない作業だろう。