木部のペンキ剥がし:塗料剥がし液と電動サンダー
1号物件の柱や鴨居などの木部は、茶色の油性ペンキで塗装されていた。
その塗装は雑なもので
柱の下半分は新しいペンキが塗られている
しかし手の届かない上半分は古い塗装のまま
であり、前のオーナーやる気の無さがありありと感じられた。
1.塗料剥がし液の微妙さ
ではどうやってリメイクするか。
まず最初に試してみたことは
古いペンキの上から、水性ペンキで上塗り
であった。
だがこれは失敗だった。
今考えれば全く論外の方法だ。
ペンキ同士の密着性が全く得られていないようだった。
また、ムラが酷く、傷んだ部分からヤニもにじみ出てきた。
そのため方針を転換し、古いペンキを剥がすことにした。
最初に剥がす方法として思いついたのは、塗料剥がし液を使うことだ。
これを試しに塗ってみると、確かにしばらく経てばペンキが浮いてくる。
ペンキが薄い皮のようにめくれてくるので、それをスクレイパーで削ぎ落すわけだ。
しかし、これはあまり有効とはいえなかった。
一度はがし液を塗ったくらいでは古いペンキの表面を少し剥がせる程度の効果しか得られない。
下地まで剥がす場合、最低でも3度は作業を繰り返す必要があった。
このはがし液は300ml入りで価格が約1000円。
1本で剥がせるのはせいぜい柱が2,3本分といったところ。
明らかに不経済だ。
2.とれタンの強力さ、凶悪さ
そこで私は次の手を考え
ペンキを一気に剥がせるくらい強力なものを塗れば良いのでは
と思い、とれタンというものを注文した。
- 価格: 4400 円
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これはネオリバーという剥離剤の木部用らしい。
モノタロウのレビューを読む限り
酸性の剥離剤で強力、肌に付くと痛みがでるほど
などと書いてあり、ホームセンターに売っているようなものとは一線を画する性能らしい。
届いてすぐ柱に塗ることにしたのだが、危険性を考えてフル装備で臨んだ。
ツナギ、帽子、ゴーグル、マスク、手袋。
開封して塗料缶に移し替えるとき
何とも言えない甘ったるい臭い
を感じ
これは吸いすぎると体に悪かろうな・・・
と直感した。
柱に塗ってみたところ
確かに強力だ!
ハケで塗ったそばからペンキが浮き上がってくる。
頑固だったウレタンニスもすぐに取れる!
これは良いものだ、と思い何本かの柱に塗っていった。
だが10分もすると……どうも気分が悪い。
原因は恐らく、気化した剥離剤を吸いすぎたせいだろう。
一応部屋の窓を開けながらやっていたのだが、ハケで塗るときはどうしても塗料に接近せざるを得ない。
さらに作業を続け20分も経つと
吐き気とめまい
で体調は最悪に陥った。
これはダメだ・・・
おそらくこれは完全に屋外で使うためのものだ。
仮にこれを室内で使ったとして、ペンキを剥がした後、この不快な臭いが部屋に残ってしまえば、人が住むどころではない・・・
そう判断し、とれタンは封印することにした。
3.サンダーで物理的に剥がす
最終的な解決策は
マキタの仕上げサンダーで柱ごと削る
であった。
このサンダーはどんなサンドペーパーでもカットして使用できるので、専用のサンドペーパーを用意する必要がない。
自分の手だけで木部全てを削るのは考えられなかったが、これならいけるのではないか、と思い購入した。
結果的にはこれが最も確実だった。
削る際使ったサンドペーパーは最も粗い#40番
これは大抵のホームセンターで1枚40円程度で売っているが、これを3等分してセット。
後はひたすら削りつくすだけだ。
ペンキが厚ければ厚いほど時間はかかるが、やれば仕上がりは確実に良くなる。
アクやヤニのことを考え、これくらい削れば問題ないだろうというくらい下地を出した。
ここまで柱を1本削るのに30分はかかるだろうか。
サンダーをひたすら柱に押し付け続けるわけだから、肉体的にはハードな作業だ。
ここで削り作業の注意点をいくつか挙げる。
① サンダーはうるさいので耳栓必須
非常にうるさい音を長時間聞き続けることになるため、耳栓が欠かせない。
② マスクとゴーグルも必須
粉塵が部屋全体に舞う。
最低限目と鼻、口を塞がないと作業はできない。
③ 振動し続けるサンダーを持つため、こまめに休む
振動を発する道具を長時間持つことで
という病気にかかる危険がある。
状態的な手の痺れ、血行不良になることもあるようだ。
あまり長時間に渡る作業は避けたほうが良いだろう。
④ 床などを養生する
柱を削る以上粉塵が舞う。
養生しない限り床どころか部屋全体がひどく汚れる。
当時は養生を考えずやっていたが、後からの掃除の手間を考えたら必須である。
この作業は2Kの部屋全域に及んだため、木部を削るだけで何日かかっただろうか、実作業日数でも1週間以上だと思う。
とにかくこのような過程を経て、ようやく木部の塗装準備が整ったわけだ。