聖帝zoomセミナー2020 第三回 感想②「支那そば軍曹編」
前回の記事に続き聖帝セミナーの感想。
Voicyで何度か登場されていたが、その人となりなどは存じ上げなかった。
今回セミナーを受け、その人物像に惹かれた。
内容はネタバレ防止で詳しく書けないので、今回も要点から私が感じたことを書き散らす。
1.自己啓発が目的になっていませんか
軍曹は世に蔓延する自己啓発の風潮に疑問を投げかける。
自己啓発本を読み漁ることが、目的になっていないかと。
これは正直耳が痛かった。最近多少マシになってきたと思うが、以前はどれだけ自己啓発本を読むかが目的になっており、ろくに実践できないのに本ばかり読んでいたものだ。
確かに過去の偉人や現在の成功者が書いた本には一定の価値がある。しかし、ことによると彼らの行動を全てコピーできれば、自分も成功できるのだ、などという考えを持ちつつあった。
しかし現実的に自分が、それら偉人と同じ高い精神性を持ち続けられるのか。
人間としての理想像として抽出されたような、本に出てくる偉人たちのように。
まず、いきなりは無理。人格は変えようと思って変わるものではない。短期間で変わったように見えても、無理をしていることは自分が一番良くわかっているものだ。
高すぎる理想は、達成の予感を感じさせず、はなから無理だと心では諦めているものだ。
人格を高めようとすることは悪くない。だが、本で書かれる理想をそのまま自分の中に宿そうとすることは、恐らく挫折しやすい。これは単に教科書の内容を丸暗記して、あらゆる状況に暗記した公式を当てはめようとする行為ではないだろうか。この方法ではいずれやる気が失速する。
ではどういう考え方をするべきか。
軍曹が語るのは「自分は何ができないか、何をしたくないか」である。
2.己を知れ
理想の人間像に自分をはめ込むのではなく、欠点だらけの自分を知り、受け入れ、その自分に合った戦い方をするということだ。自分の強みと弱みを把握し最適な戦場で戦う。それはつまり、自分に最も有利な戦略を取れ、ということだろうか。
軍曹は「本当に好きなことなんてありますか」と問う。
好きなことを仕事にしろ、なんて言葉は既に使う古されて久しい。誰でも自分が本当に好きなことだけしていて、それでお金を稼げるなら最高だと思うだろう。
しかし、実際好きなことが見つからない、と悩む人は多い。そんな人が好きなこと探しをすることは、そもそも間違いではないだろうか。好きなことを仕事にできる人間なら、とっくにその好きなことを見つけているはずだし、そんな人達はそれこそ「狂っている」レベルでその好きなことに打ち込むだろう。
凡人が好きなことで飯を食うことは、現実味がない、ということだろうか。
そこで逆に「自分がしたくないこと」を徹底的に避ければ、自分が生きやすい道が見つかるだろう、と軍曹は語る。つまり消去法で生きる道を選ぶ。消去法と聞くとネガティブに聞こえるが、自分を正確に把握していれば、その道が最も適応しやすく住みやすくなる環境だろう。
3.ミッションステイトメントは現実的か
世の自己啓発本は
自分の信条、理念、憲法にあたるミッションステイトメントを作り、掲げろ
と説く。
はたしてそれに意味はあるのか。ミッションステイトメントは非常にポジティブに書かれる。自分の理想を体現するものだからだ。だが、それらはあまりにも現実離れしすぎていないだろうか。
今回思ったのは、もっとネガティブなミッションステイトメントがあっても良いのでは、ということだ。
ミッションステイトメントはネガティブに書いてはいけない。私も全ての要素をポジティブに言い換えて書いた。その結果、確かに誰に見せても恥じることのないものができた。でもこれはあまりに理想的すぎやしないか。確かに自分の言葉で綴ったが、毎日のように見返しているか。答えはノー。
単にミッションステイトメントを作成する、というタスクをこなしただけではなかったか。むしろ実際に自分を動かすのはネガティブなパワーの方が大きいのではないだろうか。
あくまで私の所感だが、これは人格の段階によって適切な方法があると思う。人格が磨かれてくると、自然と他者への貢献など、高尚な目標が心から湧き上がるようになる。だが人格を磨き始めた段階では、あくまでも理想を暗記し、その理想と自分を対比させて、その道は違うと判断するだけではないだろうか。自分の内面から自然と湧き上がる感情ではない。そのため容易に決意を翻し、理想通りの行動に移せないのではないだろうか。
だから私などが主として用いるべきは、ネガティブな力なのではないだろうか。
この点は聖帝編でも語られていたが、その暗黒魔法的な力が大きな原動力になる。恵まれている人間ほど、勤め人を卒業したがらない理由の一つになるのだろう。
作ってみる価値はあるかもしれない。理想の自分を掲げるだけではなく、自分の影をとことん見つめる、受け入れる。無理のないように付き合う、ということだ。
4.おわりに
支那そば軍曹のテーマは「枠からはみ出し、違うゲームをやれ。メンタルブロックを撃破しろ」であった。そちらの話も実に含蓄のあるもので、まだまだ私は自分の常識という狭い枠に囚われていることを実感した。
私が支那そば軍曹の話を詳しく聴いたのは、今回が初めてだった。そしてその考え方や人物に惹きつけられた。これまでサウザーラジオを通しても登場していないタイプの人かもしれない。もっと詳しい話を聴くなら白熱教室を聴いてみるのが良いのだろう。購入を検討してみたい。