DIY大家の覚え書き@TOYAMA

富山にて不動産投資で経済的独立を目指す戦いの記録

壁付け混合水栓の交換:シールテープの巻き方とソケットの回転数

 今回は混合水栓の交換である。築30年以上経過していれば、水栓も相当古びてくる。メーカーが推奨する水栓の交換時期は約10年らしい。中のパーツを交換していればもっと保つだろうが、外観はどうしてもみすぼらしい。

 水栓は入居者が手に触れる機会の多いもので、清潔感を出すには新しいものへの交換が推奨される。

 これまで私は混合水栓を交換した経験がない。手始めとしてキッチンの水栓を交換してみたので、DIYを検討している人は参考にしてほしい。

 1.水栓の種類

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 物件の水回りには給水用の蛇口があり、それらは色々な種類がある。

 大きく分けるなら

   単水栓と混合水栓

の2つになるだろう。

 単水栓とは、その蛇口から出るのは「水かお湯のみ」であるもの。

 単水栓が使用されることが多いのは、洗濯機用の水栓や屋外の水栓だ。

 混合水栓とは、「水とお湯の両方」が出て、その割合で温度調節が可能なもの。

 混合水栓は、キッチンや風呂場に使われる。

 

 水栓の交換は基本的にシンプルで、壁から出ている給水管から古い水栓を回して引っこ抜き、新しい水栓を回して取り付ける。それだけの単純な作業だ。

 だがある程度のコツを知らないと、簡単に水漏れを起こす。最悪なのは水栓を取り付けた後、その水漏れに気づかず使い続け、気づいたときには壁の内側が酷い状態になることだろう。

 今回は私が実際の作業で犯したミスと、取り付けのコツを紹介したい。

2.壁付け混合水栓の取り付け:コツと注意点 

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 これがキッチンの水栓で、いわゆる「壁付けシングルレバー混合水栓」である。

 壁から出ている2本の給水管は、向かって左側がお湯、右側が水。この並び順は基本的にどんな物件でも共通しているはずだ。2つの給水管が水栓の中で合流し、レバーの位置でその割合を決定し、蛇口から出る水の温度調節が出来る仕組みだ。

 まずは古い水栓を外す必要がある。

 ここからの作業にあたっては必ず予習をしてから挑んで欲しい。私がもっとも参考になったのがこの動画である。


混合栓の交換方法 《石川県白山市・金沢市・野々市市 便利屋さんのワンポイント》

(1) 元の水栓を必ず締める

 取り外し作業前のもっとも大事な工程。

 物件屋外の道路付近にある水道メーターボックスの栓を締めること。これを忘れて水栓を外し始めるとすぐに水が吹き出し、部屋はとんでもない状態になり得る。

(2) 水栓本体とソケットの取り外し 

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 水栓本体は2つのソケットと繋がっている。まずは本体とソケットを取り外す。

 モンキーレンチで2つの接合部を「時計回り」に回転させて緩めていく。この部分だけは回転方向が通常とは逆なので注意しよう。最初だけレンチで緩めれば手で簡単に外れるはずだ。

 次のソケット部は手で「反時計回り」に回転させれば外れる。最初があまりにも硬いときは金槌で叩いても良いだろう。この取り外し時に

   何回転でソケットが外れたか

を数えておくと、後で新しいソケットを取り付けるときの目安になる。

(3) 給水管内の掃除

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 ソケットを取り外すと壁内の給水管が見えると思うが、大抵その中は汚れている。特に千切れたシールテープが残っていることが多いので、歯ブラシなどでキレイにする。これを残したままだと新しいソケットがちゃんとハマらず、漏水の原因になる。

(4) ソケットの取り付け

 新しい水栓のソケットを給水管に取り付ける。漏水の原因はほとんどがこの作業の不備だ。重要なポイントは

   シールテープの巻き方とソケットの回転数

である。

 まずシールテープだが気をつけることは

  ・テープはネジの先端付近を中心に巻く

  ・ネジ具合によるが7~10回転くらい巻くのが安心

  ・巻いた後は爪でネジ山の跡を付けて密着させる

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 写真のようにネジの根元は巻く必要がない。先端に巻きつけることが何より重要だ。私は最初このネジ山の真ん中付近を中心に巻いて取り付けたが、かなり壁から漏水した。

 テープを巻けば巻くほど厚みが出て、ソケットをねじ込みにくくなるが、その方が盤石ということにもなる。またテープを巻く前に、座金を取り付けることを忘れないようにしよう。

 

 次にソケットの回転数だ。

 ソケットの回転数は基本的に古いソケットを外したときと同じか、それ以上にしよう。シールテープを巻かない状態で給水管に、何回転までねじ込めるかを数えておくことも重要だ。最終的なソケットの位置は、「ハの字」にしなければならないのでその調整が出来るギリギリまで回転させることになる。

 回転数が把握できたらソケットの取り付けだ。本体を取り付ける際は水平を維持しなければならない。その調整する余地を残すためにソケットは以下の位置に留めておく。

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(5) 本体の取り付け

 まず忘れてはならないのが、本体とソケットの間にパッキンを入れることだ。大抵の水栓では分けられて入っているはずなので、自分で入れる。

 取り付けはナットを手で回して接続する。まずは向かって左側から取り付け、ソケットを右回転させつつ、右側のソケットも右に起こしながら

   両方のソケットが本体に接続でき、水平になる位置を探す

のだ。最後は水平器を本体の上において微調整すると良い。

 やってはならないのが

   ソケットを逆回転させること

である。これをやるとシールテープが内部で剥がれ、漏水の原因になる。ソケットは一方通行であると認識しよう。

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 水平を確認できたらナットをレンチで増し締めする。レンチをそのまま使うと新品の水栓を傷つけるので、ナットにはあて布をすると良い。

(6) 水漏れの確認

 後は元栓を開け、水栓から水を出してみる。お湯側から出すことも忘れないようにしよう。出した後で壁側から水が出ないかどうかを注意深く確認する。システムキッチンで壁側が隠れているときは、一旦ズラしてでも壁を確認しよう。わずかに滴る程度であればシステムキッチンを付けたままでは分からない。

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 写真はキッチンをズラした後だが、以前から何度も水漏れがあったであろうことがわかる。私が今回最初に交換したときは壁から床までかなりの水漏れが発生した。それでもキッチンをズラしてみるまでは分からなかった。

 この確認をして水漏れが確認できたら、これまでの作業を1からやり直す。

 壁から漏れることが大半だと思うが、その原因は先に述べたとおり、テープとソケットの回転数にあるはずだ。何度かやってコツを掴むたびに漏水の量は減っていくだろう。動画を見るだけなら簡単そうに見えるが、自分で手を動かすと意外と難しいものだ。

3.おわりに

 以上の作業は慣れれば簡単にできるようになる。

 だが最初は意外と苦戦するはずだ。漏水は入居者のクレームの中でもかなり嫌なものだし、いざ起こると物件へのダメージも大きい。作業は決して手を抜かず、ちゃんと施工できているかの確認も怠らないようにしたい。

 キッチン水栓を交換できれば、風呂のシャワー付き水栓もほぼ同じ同じ要領で交換することが可能だ。水栓の交換は入居者へ与える印象も大きいため、是非挑戦してほしい。

 

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