トイレのリフォーム:便器交換と壁・床の貼り替え
トイレに清潔感があるか否か。入居を検討する人、特に女性はこの点を重視するだろう。
2号物件のトイレは非常に古臭いものだった。
便器とタンクは薄いピンク、暖房便座付き。
壁紙は竹柄。床は赤色のクッションフロア。
全体的に和のテイストでまとまってはいるが、どのデザインも今となっては古びた印象を与える。
これらは全てリフォームして清潔感を出さなければならないだろう。
1.壁紙を貼り替えるにはタンクが邪魔
トイレのタンクは大抵壁に密着して設置されている。壁紙を貼り替えようと思っても、このタンクが邪魔になり作業は困難だ。
しかし便器をまるごと取り外してしまえば、新しいものを取り付けるまでは用をたせない。折衷案として「タンクだけを外す」という手を打った。
タンクがなくなれば便器に流すための水は供給されなくなる。しかしバケツで他の蛇口から水を汲んで便器に流せば事足りる。不潔だと感じる人も多いだろうが、背に腹は替えられない。
取り外し自体は非常に簡単。レンチが1本あれば数分で可能だ。給水管はハンドルなり、ドライバーで締めておけば漏れることはない。
タンクさえ外せれば壁紙を貼り替えることは容易だ。狭いスペースなので半日もあれば十分だろう。
2.クッションフロアの貼り替えは便器の取り外し後、迅速に!
続いては床の貼り替えである。古いものはクッションフロアであり、新しく貼り付けるのもクッションフロア。便器を設置したままでも貼り替えることは、一応可能だ。
しかし便器も交換する予定なのなら、同時に作業した方が効率は良くなり、仕上がりのクオリティも上がるだろう。ただまとめて作業をすることになり、その間物件のトイレは使えない。迅速な作業が求められる。
新しい便器が届くのを待って作業を開始した。
まず外すのは便座、これは裏からネジで留められているだけで非常に簡単。
次が便器だが、床のフランジとナットで固定されている。今回はこのナットが錆びており、1本がレンチなどでは全く外せない。結局1時間以上格闘したと思う。
相当四苦八苦した後、結局は力技で便器ごと持ち上げ、フランジごと撤去した。
続いてはクッションフロアの貼り替え。
これまでの記事でも散々紹介してきたので作業は割愛。
ただ注意点が1点。
ボンドを伸ばすときに使う「クシ目ゴテ」だが、使用した後は付着したボンドを必ず掃除しておこう。これを怠ると次回使うときにクシ目がボンドで塞がり、余計な手間が取られることになる。
3.便器の設置、新しいフランジは別途購入が必要!
床が仕上がったらいよいよ便器の取り付けだ。
ここで便器セットの梱包を開けたのだが、施工説明書を読んでいてふと気づく。
このセットは
フランジがある床に設置することを前提としている
ということだ。
古いフランジがそのまま使えるなら問題ない。しかし今回はフランジごと便器を取り外しているし、フランジ自体も汚くて使えるものではない。新たに購入する必要があるということだ。
またフランジ以外でも必要になるものとして
塩ビ用接着剤
が説明書に記載されていた。おそらくこれらの2点がセットに含まれていないことは、購入用のページに書かれていたのだろうが、私はそこまで確認していなかった。こういう点はやってみないと分からないものだ。
すぐにホームセンターへ走る。フランジは1,000円程度で購入。塩ビ用接着剤は以前雨樋を設置したときに用意したものをそのまま使った。
排水管の直径を測っておき、10センチに合ったフランジを購入。設置自体は簡単で床にビスで留めるだけ。
ここから便器の設置となる。今回購入した便器はLIXILの「アメージュZリトイレタイプ」
便器の規格には色々な種類があるのだが、交換に際しもっとも重要な点は
壁からの排水芯の位置
である。
最近の住宅であれば、この排水芯の位置は
壁から200mm
が一般的になっている。しかし平成初期ごろまでの住宅は、この位置がバラバラなことが多いのだ。この位置の違いによって設置できる便器が全く違ってくる。
今回の物件のトイレは上の写真からも分かる通り、排水芯が部屋のほぼ中央に位置する。壁からの距離は530mm程度になる。
このような場合は「リトイレタイプ」というリフォーム用の便器を使う必要がある。このリフォーム用便器の呼び方は、メーカーによって異なり、リモデルやリフォームトイレなどと呼ぶところもある。
つまりトイレの購入前に排水芯の位置を測る必要があるわけだが、正確な位置は古い便器を外してみないと分からない。だが便器を外さずとも便器を固定するビスでおおよそ判断することが可能だ。
私はこちらのサイトを参考に「便器を固定する大きなキャップ」の位置から排水芯を出し、実際にその位置は正確だった。
まずはフランジと接続する塩ビの配管を、排水芯の位置に応じてカットする。カットできたら塩ビのパーツ同士を接着剤でくっつける。そしてそれらをフランジと床に固定する。この辺の作業は説明書に従って行えば難しいところはない。
配管を固定できればその上に便器を乗せるだけ。重量があるので正しい位置に置けばズレることはない。
このトイレセットには給水管も付属している。古いものでも接続は出来るのだが、せっかくなら新しいものを取り付けたい。
交換の際には必ず元栓を締める。
反時計回りにレンチで回せば簡単に外れる。接続部のシールテープなどゴミを取り除いてから、新しい給水管のネジ部分先端に厚くシールテープを巻く。このあたりの作業はキッチンと風呂の水栓を交換したときと同じ要領だ。正直今となっては慣れた作業。
給水管交換の後はトイレのタンクを設置するのだが、ウォシュレットも設置する関係で、給水管部分は同時並行して進めなければならない。
使用したウォシュレットはパナソニックの「ビューティー・トワレ」
ウォシュレットには給水管に接続するための、分岐水栓が付属している。要は壁から出る水を2つに分岐させて、タンクとウォシュレットに送る目的だ。分岐水栓を先に付けてその先にタンク用のホースを繋ぐ。
この接続は慣れていないと混乱するかもしれない。
ここでの注意として
各ナットの接続部分にパッキンを入れることを忘れない
ということだ。必要な分のパッキンは付属しており、付け忘れると必ず水漏れする。
本来なら適宜水漏れのチェックをしていきたいのだが、タンクとウォシュレットの接続が終わるまで水栓を開けることはできない。そのため最後まで繋げて通水してみると、壁から水漏れなどということも起こり得る。やり直しが面倒なのは壁部分なので、そこはしっかりと施工しておきたい。
全て設置して水漏れがなければ完了。
作業工程は非常に詳しく説明書に書かれているので、初めて作業をする人でも分からなくなることはないだろう。まとめてやるとなるとそれなりに時間はかかったが、仕上がりは満足いくものとなった。
4.おわりに
トイレのリフォームは非常に充実感がある。
築古物件であれば新品のトイレは、客付け上有利に働くことは間違いない。
それでいて意外と作業難易度は高くない。
費用についても便器とウォシュレット分で5万円前後、コストパフォーマンスは悪くない。
もしDIYに二の足を踏んでいる人がいれば、是非挑戦されることをおすすめする。