ふすま、障子・引き戸のリメイク
和風の部屋の建具といえば
ふすま、障子、引き戸
などであるが、やはりそれらも何らかの形で手を入れないと、古い雰囲気を漂わせてしまう。
リメイクの方法として多いのは
ふすまは壁紙やリメイクシートを貼る
ペンキを塗る
などである。今回私は一通り手をつけてみたので、それぞれについての注意点などを書いていく。
・ふすま、障子のリメイク
ふすまには、ふすま紙を貼りかえることができる「本ふすま」と呼ばれるものと、それよりも安価であろう、プリント合板を貼っただけの簡易なふすま、があると思う。
本ふすまであれば、ふすま上下左右の枠を外して、ふすま紙を壁紙で貼りかえればそれだけで見違えるだろう。
しかしプリント合板だとそうはいかず、そもそも合板に壁紙が貼れない。
私の1号物件のふすまは、簡易的なふすまだったのでその点で苦労した。
プリント合板とは、いわゆるベニヤ板の表面に何らかの加工がされた薄い板で、貼りつけるだけで完成する。上から処理をする必要がないため、安価な壁材などに使われる。
このようなタイプの合板が築古の物件でよく使われている。
これらの合板は表面に加工がされているため、そのままでは壁紙が接着せず剥がれてくる。一度私も壁紙をそのまま貼ってはみたものの、数日経ってものりが乾かず、ずっと壁紙が浮いたままになるのだ。
上記のような木目柄で、表面がツルツルしたタイプであれば、サンディングした上で板の隙間にパテを埋めて壁紙を貼ることができる。
しかし表面がザラザラしたタイプはサンディングできないものがある。そのタイプの対策として、合板の上から普通のベニヤを貼る、ということだ。
また障子についても障子紙を貼る部分がある限り、和風感は拭えない。
洋風にしたいのであれば、全面的にベニヤを貼るのが手っ取り早いだろう。
写真のように2.5mmのラワンベニヤを貼っていく。ベニヤはできる限り薄いものにし、貼った後でも他の障子と干渉しないようにする。
ベニヤを貼った分厚みが増し、引き違いができなくなるとダメなのでここは十分に確認しなければならない。
貼り付けには木工ボンドを全面に塗ったが、どうしても浮いてくるところがあるので
仮釘や隠し釘で抑えて接着していく。
またラワンベニヤはアクが出る可能性が高いので、建具に合わせてカットした後、シーラーを数回塗っておくと良い。
ベニヤを貼り付けられれば、後は壁紙やリメイクシートを貼っていくだけである。
また戸枠もペンキで塗っておくとよいだろう。
・引き戸のリメイク
引き戸についてだが、床にレールが付いたタイプで中にガラスが入っている昔ながらのものだ。
このタイプはガラスを取り出すことは比較的容易だと思う。枠を外さずとも上からすぐに抜くことができた。
リメイクの際、最も手っ取り早いのは、ペンキで塗ることだ。
ガラスを取り外し、ペンキで塗る。大抵の場合それだけでも見違えるものだ。
枠が多いとそれだけ塗り忘れが多くなるので注意しよう。
塗るペンキについて気を付けたいのが
使っていいのは水性ペンキだけ、油性は使ってはいけない
ということである。
ガラスを外してペンキを塗った後は、当然ガラスを戻さなければならないわけだが、ペンキを塗ったことで入らなくなるケースがある。
ペンキはどうしてもガラスを入れる隙間に入り込む。
水性であれば問題なくガラスを戻すことができるのだが、問題は油性だ。
油性ペンキは水性と比べて、表面につやが出る分、厚みがある。
おそらくその厚み分、ガラスの挿入口が塞がり、ガラスが入らなくなるのだ。
その場合は、引き戸の構造そのものに手を加える必要が出てきて、不要な作業が増えるので注意したい。