土留めとしてのブロック塀②:穴掘りと砕石敷き詰め
前回は土留めとしてブロック塀の施工を採用するまでの経緯を書いた。
今回は実際にブロック塀のDIYについて、穴掘りから鉄筋の組み上げまで紹介したい。
1.本から学ぶ施工の流れ
ブロック塀の基本的な施工方法は、「自分でやる庭づくり大全:著 荒井章」で学ぶことができた。
この本では
土の基本、セメントの扱い方、型枠、樹木、溶接……
庭に関する幅広い知識が学べる、大全と銘打つだけの内容の濃さだ。
この本に忠実に施工を行うなら
水盛り遣方→穴掘り→砕石敷き→型枠→鉄筋→コンクリ流し→ブロック積み
といった工程になる。
かなり厳格、というか忠実にやれば間違いはない、という方法だがかなりの労力がかかる。
一方DIYで施工した人のブログなどを読んでいると
・基礎はモルタルのみで良い、砕石も最低限で
・鉄筋はコンクリが固まる前に上から挿す
など様々な意見がある。
穴の深さや、砕石やコンクリートの厚みも書籍の方法の半分くらいが多かった。
もちろん何段積むかや、現場の状況、土留めとしての必要性など、ケースバイケースの点が多いため、ここまで方法がバラつくのであろう。
そこで私は現場の状況などを踏まえて何人かに相談してみた。
その意見も様々であったが、まとめると
・土留めとして使うなら、厚み15センチの重量ブロックを使う
・塀が3段なら型枠までは必要ない、掘った穴にそのまま流す
・鉄筋は横のピッチが400mm、ブロック1個ごとに立ち上げる
といった感じだった。
この時点の私の認識としては
他の人らは結構適当にやってるし、割となんとかなるはずだ
という感じで、本音では
地味で面倒な過程はできるだけ省きたい
という、怠け心があったのだ。
確実にこうすれば良い、といった方法が定まらないまま、見切り発車で作業に取り掛かったのだった。
2.基礎用の穴を掘る
(1)穴の構造
今回は鉄筋を組むため、それを固定するための基礎が必要だ。
基礎はコンクリートを流し込むので、そこそこの深さがいる。
穴の構造は
長さがブロック塀と同じで、7000mm
幅はブロックの幅+20mmで、350mm
深さは基礎用の砕石10mm+コンクリート15mm+ブロックの土入れ分10
mmで、地面から450mm
となった。
(2)穴掘りに必要な道具
・剣スコップ
これは人力なら必須だ。
最初除雪用の四角いスコップで穴掘りを試したが、話にならなかった。
1000円程度の一番安いものを購入したが、性能は十分だ。
・メジャーと木の棒
深さなどを測るためのもの。
木の棒に目盛りを書いておけば、大体の深さを簡単に測ることができる。
(3)掘るときの注意
掘る場所は一度掘り返した後、埋め戻して表面に砕石を敷いてあるところ。
最初の方はスムーズに掘り進められた。
しかし深さが約20センチを過ぎたところから地層が変わる。
重くて湿った、いわゆる山土というものらしい。
ここからは力任せにはいかず、やり方を考えないと消耗するばかりだった。
ポイントは以下の3つ。
① まずスコップの剣先を足で踏み、深く差し込む。
② それを手前に何回も繰り返して、土を細かく刻む。
③ 腰を落とし、地面に這いつくばるようにして土を横に掻き出す。
特に重要なのは③。
何よりこの作業は腰にダメージがくるのだ。
少しでも腰への負担を減らすために、膝をついて土を滑らせる程度で移動させれば、負担は最小限で済む。
(4)結果かかった時間など。
男一人、道具は剣スコップ1本。
作業を始め、計画通りに穴を掘り終えるまでにかかったのは7~8時間。
掘った土は約0.8立米。
意外と一人でもできたな、という印象だ。
この程度であれば重機は必要ない、大事なのは気合だ。
3.穴の底に砕石を敷き詰めて転圧する。
(1)砕石の敷き詰め
穴は掘れたが、穴の底は土が剥き出し。
土は重量がかかると当然重みで沈んでゆく。
それを防ぐために、底には砕石や割栗石を敷固める必要がある。
砕石はどこのホームセンターでも一袋20キロ、200円程度で売っている。
一番安く入手するなら採石場などになるらしいが、最低限トラックが必要だ。
今回は手っ取り早くホームセンターで購入。
必要量は計算上、0.23立米、重さで言えば370キロ近く。
山のように積まれた砕石を、掘った穴の底にどんどん入れていく。
掘り出すことに比べて、埋めることの何と楽なことか。
(2)タンパーで砕石を転圧
砕石は単に地面に敷いただけではなく、上から圧力を加えて食い込ませなければならない。
確実に行うならプレートと呼ばれる機械で、敷固める。
しかしDIYにそこまでは求めない。
この作業も人力で挑戦した。
一応人力用の道具も売ってはいる。
しかしこの程度のものであれば自作している人が多いようだ。
私が参考にしたのはこちらのサイト。
買う必要があったのは
・半ブロック1個
・2×6の板1枚(厚み3.8mm)
・L字アングル
のみで角材は余っていた端材を利用した。
作ることも簡単で30分もあれば完成した。
あとは力に任せてタンパーを砕石に叩きつけるのみだ。
この転圧作業だが、素人にはどの程度で十分なのかが分かりにくい。
砕石が全く動かなくなる、ということは表面部分では分からない。
プロは入れた砕石の量と、下がった高さなどからどの程度固まったかを判断するらしいのだが、私はそこまで計算していなかった。
とりあえず全体を3回くらい敷固めて、これ以上は地面が下がらない程度までは固めたつもりだ。
以降は砕石の上に鉄筋を組んでいく作業となる。
ここまでの作業は比較的、力と勢い任せで何とかなる範囲だと思うが、次からはどんどん難易度が上がっていくことになる。
最終的にどの程度で仕上がるのか、というかちゃんと塀が立つのか、この記事を執筆時点では私も分からない……
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