書評「アウトプット大全」:アウトプットでしか現実は変わらない
自分を高めようと思う者にとって、学びは必須だ。
月に数十冊読書をする人なら
日々たくさんの本を読んでいるから、自分は成長している
などと考えるのではないだろうか。
しかしそんな人はこう感じたことはないだろうか。
なぜ自分は読んだ本の内容をほとんど思い出せないのだろう
本を読み、その一ヶ月後、読書直後と変わらず内容を覚えている人間はほとんどいない。
大抵の人間はその本に対して、薄い説明しかできないはずだ。
私も見に覚えのある話だ。
たくさん本を読んでいるはずなのに、全く身についている気がしない。
そんな悩みに明確な回答を与えてくれるのが、このアウトプット大全だ。
1.インプットとアウトプットの黄金比率は3:7
皆さんは読んだ本の内容を、どの程度アウトプットしているだろうか。
アウトプットとは
話す、書く、内容を実行に移す
などが挙げられるのだが、何もしていない、という人も多いと思う。
そのように読むだけのインプットのみを行い、その後アウトプットを怠れば、本の内容は一ヶ月もすればほとんどを忘れてしまうことになる。
それでは読書は、単なる娯楽や暇つぶしにすぎなくなる。
アウトプットの割合をインプット以上に増やすことで、その内容をより自分の中に取り込めるようになるわけだ。
私はこの黄金比率、インプットが3:アウトプットが7、を知った時
インプット以上にアウトプットをできるわけがない
と思ったものだ。
しかし私がこれまでどんなに読書をしても、内容が身についていない、という歴然とした事実が、この黄金比率の正しさを証明していると思えたのだ。
読書に際し推奨されているのは
アンダーライン、メモ書きしながら読む
内容を要約し、ノートにまとめる
感想を人に話す
ツイッターやブログで書評を書く
などだ。
ちゃんとした書評を書いて不特定多数に発表すると思えば、下手な文章は書けない。
それなりにプレッシャーがかかるし、慣れるまではかなりの労力になる。
しかし、そのプレッシャーがあるからこそ、本の内容に真剣に向き合い、理解しようとする。
また文章構成なども考えながら書くので、自分一人が読む日記以上に訓練になるのだ。
2.たくさん読んで書く、以外の道はなし
文章を書いてブログなどで発信することに、尻込みする人も多いと思う。
自分は文章が上手くないから
下手な文章を書いても誰も読まないから
もっと文章力をつけてから発信したい
そのように考える気持ちは、非常によく分かる。
だが、人の批判に晒される恐れなくして、文章力を鍛えることは難しい。
ブログなどで発信することの最大のメリットは
フィードバックが得られる
ということだ。
ブログのPV(ページビュー)数やいいね!数、コメントなど、他人からの反応ほど、文章を書くモチベーションになるものはない。
一つの記事をアップして、その反応が他の記事と比べてどうか。
良ければどこが刺さったのか、悪ければどこを改善すべきか。
毎回試行錯誤を続けていくことで、日々成長が実感できるのだ。
これを自分一人だけが読むノートにどれだけ書き綴ったところで、何のフィードバックも得られない。
自己成長にはあまり繋がらず、自己満足に留まってしまうだろう。
とにかくどんな形であれ、発信をしてそれを続けるべきだ。
そのうち自分に合ったやり方が見えてくるだろう。
3.140字で鍛える「要約力」=「思考力」
いきなりブログで長い文章を書けないという人は、まずツイッターから初めて見るのが良い。
ツイッターでの投稿は140字に制限されている。
一言二言でも気軽につぶやけることが魅力の一つだ。
しかし、私は極力この140字を最大限活用して、密度の濃い情報を発信するようにしている。
大体は不動産関係での学び、気付きを140字に収まるよう要点を絞る。
単なる自分の感情を吐き出すためではなく、他人が読んでも何らかの気づきを得られるものを届ける、という意識だ。
本の要約をする上においても、この文字数は絶妙だ。
一冊の本からエッセンスを絞り出し、140字にまとめる。
それは本の内容を十分に理解していなければできないことなので、読書時の姿勢も変わってくるだろう。
ツイッターでの要約に慣れてくれば、要点を抑えるだけの思考力がついているので、ブログでさらに深い要約を書きやすくなっているはずだ。
手軽に始めることができるので、まずは他人に価値を提供できるつぶやきから始めてはどうだろう。
4.おわりに
今回はアウトプット大全から、主に
文章を書くこと
について取り上げた。
この本には、書くことに限らない様々なアウトプット法が紹介されている。
非常に濃密な本なので、いきなり全てを実践することは不可能だが、少しずつ実行していきたい。
そうすれば自分の現実を少しずつでも、変えていく力になるだろう。
「現実」はアウトプットでしか変えられない、のだ。