書評「SNSの超プロが教えるソーシャルメディア文章術」:ブログは情報発信、ツイッターは交流
ブログやツイッターの運用について、何も考えずにただ記事やツイートをしている人は多いのではないだろうか。ソーシャルメディアを運用する上でその目的を明確化し、効果性を高めるためにはある程度知識が必要だ。
そのために役立つ一冊が、樺沢紫苑著「ソーシャルメディア文章術」である。
1.SNSユーザーの目的は「情報収集」と「交流」
ブログやツイッターなど、SNSを使うユーザーの目的を大きく二つに分けると
「情報収集」と「交流」
になる。ブログは情報収集の比率が高く、反面ツイッターは交流がメインだろう。
自分が情報発信者としてそれぞれの媒体にあったニーズを汲み取り、それに合った形で発信を行う必要がある。ブログであれば読んだ人の学びになる「濃い情報」を提供する。ツイッターであれば「心のこもった活発な交流」を意識する。
2.情報発信型ブログでは「情報8:自己開示2」
私のブログは情報発信がメインの目的だ。大家業をしていく上で役立つ情報を読者に提供することが目的になる。対象の読者も同じ大家を志す人や、DIYの情報が欲しい人になってくる。
そういった人々が求めるものは基本的にそれらの情報だ。有益な情報を提供することが大前提になる。
ただその情報を提供するだけでは、他のブログと差別化はできない。そこで有効なのが「自己開示」だ。自己開示とは自分のキャラ出し、個性を出すこと。筆者の顔がある程度見えるくらいの自己開示を行って、人間味を出すということだ。
もちろん情報を求める読者に対して、自己開示ばかりを行っても求めるニーズと異なるので、情報と自己開示のバランスは大事だ。この最適なバランスは
情報8:自己開示2
である。
3.ツイッターでの「いいね!」「コメント」は自分から積極的に
ツイッターやフェイスブックの目的は「交流」が主だ。これらのSNSはブログと比べて、双方向の交流がしやすい仕組みになっている。いいね!、コメント、リツイートなど非常に手軽にできる。
なぜツイートに対しての反応が少ないのか、考えるべきは「返報性の法則」だ。人間は、他人から何かをされれば自分もお返しをしたくなる、というもの。
ツイッターの場合、自分が人にいいね!やコメントをしているかを考えて欲しい。たくさんの反応を得られる人は、大抵自分から積極的に交流をしているものだ。
反面嫌われるのが「自動化」だ。ツイッターでよくあるのが、ブログ更新時にツイッターと連動してツイートする機能である。これは便利ではあるが、通常だと定型文が入り見た人間は、自動的に投稿されたものであることがすぐに分かる。
そこに先に書いた通りツイッターの目的は、「人と人の交流」である。人間味が感じられず機械的な投稿は求められていないのだ。
4.おわりに
樺沢紫苑氏の本はこれが4冊目になる。SNSに関しては「アウトプット大全」や「インプット大全」などでも触れられていたが、この本はSNSに重点をおいて詳しく述べられている。これまでSNSについて書かれた本を読んだことがない、という人には是非読んでほしい。
私自身もこの本を読むまでは、深く考えずにSNSを運用していた点が多く、改善点がたくさん見つかった。ブログ更新時の自動投稿はこれまでやっていたが、今後はやめてちゃんと自分でツイートするようにしたい。
また他人のツイートにも、余程でなければいいね!すらしていなかったし、コメントも全くであった。
SNSの究極的な目的は「信頼を得ること」である。これは即座に得られるものではなく、かなり長期的な目線が必要だ。だがその過程において様々な学びにも繋がるし、大家としての活動にも役立つだろう。この本で得た学びを実践し続けたい。