DIY大家の覚え書き@TOYAMA

富山にて不動産投資で経済的独立を目指す戦いの記録

書評:「フランクリン自伝」①:あらゆる自己啓発のネタ元

 今回は書評という形で、私が読んだ本について紹介していきたい。

 書評を書く目的は、私自身がアウトプットをすることで、本の内容を自分のものにするためである。

 以前の記事で読書法・勉強法については触れた。

hacchi6.hatenablog.com

 だがこれだけでは本の内容を身につけるには足りない。

 内容を自分だけが読むものにアウトプットするだけではなく、他人に対して説明できるようでないと、本当に得た知識を活かせるようにはならない。

 そのための場として、このブログを使っていきたい。

 今回紹介する一冊は

   ベンジャミン・フランクリン著:フランクリン自伝

である。

フランクリン自伝 (岩波文庫)

フランクリン自伝 (岩波文庫)

 

 

 1.フランクリン自伝とは

(1)著者ベンジャミン・フランクリンとはどのような人物か

 最も分かりやすい表現が

   100ドル紙幣に描かれている人物

だろう。

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 ベンジャミン・フランクリン - Wikipedia

 ベンジャミン・フランクリン英語Benjamin Franklinグレゴリオ暦1706年1月17日ユリウス暦1705年1月6日>[1] - 1790年4月17日)は、アメリカ合衆国政治家外交官著述家物理学者気象学者。印刷業で成功を収めた後、政界に進出しアメリカ独立に多大な貢献をした。また、を用いた実験で、電気であることを明らかにしたことでも知られている[2]。現在の米100ドル紙幣に肖像が描かれている他、ハーフダラー銀貨にも1963年まで彼の肖像が使われていた。

 勤勉性、探究心の強さ、合理主義、社会活動への参加という18世紀における近代的人間像を象徴する人物。己を含めて権力の集中を嫌った人間性は、個人崇拝を敬遠するアメリカの国民性を超え、アメリカ合衆国建国の父の一人として讃えられる。『フランクリン自伝』はアメリカのロング・ベストセラーの一つである。

 彼が何をした人物かは、日本においてちゃんと説明できる人は少ないと思う。

 日本で言うなら福澤諭吉になるのだろうか。

 とにかく国に偉大な貢献をした人物である、とりあえずはその認識で十分だ。

 彼が自分の一生を綴った自伝、それがフランクリン自伝だ。

 そこに描かれているのは、今後何年経ったとしても色褪せることのない

   成功するための普遍的な生き方

である。

(2)フランクリン自伝との出会い

 私が最初にこの本を知ったのはスティーブン・R.コヴィー著「7つの習慣」において紹介されていた一冊だったからだ。

 最初は何の気なしに手にとって一読した。

 まだ自己啓発本を読み始めた初期のころだった。

 当時の私の感想としては

   なるほど、確かに自己啓発の原典の一冊と言われるだけのことはあるな

   けれども最近の自己啓発本と同じようなことが書いてあるだけではないか

といった具合で、そこまで深く心に響いたわけではなかった、と思う。

 その後私はあらゆる自己啓発、お金持ち本、ビジネス書などを片っ端から読み漁っていた。

 有名な本はとりあえず買っておく、気が向いたら目を通す、一読したら次の本……

 次から次へと、内容も身についていないのに読む本だけを増やして、知識を身に着けた気になっていた。

 そんなことを繰り返していてふと気づいたのだ。

   確かにどの本も良いことが書かれている

   けれど、どの内容も共通しているポイントがいくつもある

   そのほとんどは「フランクリン自伝」に書かれていることではないか

 

(3)人間は何年経っても変わらない

 フランクリンが生きたのは西暦1700年代である。

 私は、当時フランクリンが実践した生き方が、そこから300年近く経った現在においても極めて有効だと確信できる。

 何故か。

 人間というものは何年、何百年経っても基本的な部分は変わらないからだ。

 実践すべき「徳」と忌避すべき「悪徳」、その点が変化しないからこそ、現代を生きる私達もフランクリンの生き様から多くを学ぶことができるのだ。

 

 では本の内容について触れていきたい。

 分量は文庫本1冊で比較的手軽に読める本ではあるが、その内容は濃い。

 今後数回に分けて重要ポイントを紹介し、私がどう実践しているかも書いていきたい。

2.十三徳とは

 本書において

   十三徳

というフランクリンが定めた実践すべき徳が13ある。

 この十三徳が最も本のエッセンスが凝縮された部分といえる。

 ここでその十三徳を紹介する。

(1) 節制

  飽くほど食うなかれ。酔うまで飲むなかれ。

(2) 沈黙

  自他に益なきことを語るなかれ。

  駄弁を弄するなかれ。

(3) 規律

  物はすべて所を定めて置くべし。

  仕事はすべて時を定めてなすべし。

(4) 決断

  なすべきことをなさんと決心すべし。

  決心したることは必ず実行すべし。

(5) 節約

  自他に益なきことに金銭を費やすなかれ。

  すなわち浪費するなかれ。

(6) 勤勉

  時間を空費するなかれ。

  つねに何か益あることに従うべし。

  無用の行いはすべて断つべし。

(7) 誠実

  詐り(いつわり)を用いて人を害するなかれ。

  心事は無邪気に公正に保つべし。

  口に出すこともまた然るべし。

(8) 正義

  他人の利益を傷つけ、あるいは与うべきを与えずして人に損害を及ぼ

 すべからず。

(9) 中庸

  極端を避くべし。

  たとえ不法を受け、憤りに値すと思うとも、激怒を慎むべし。

(10) 清潔

  身体、衣服、住居に不潔を黙認すべからず。

(11) 平静

  小事、日常茶飯事、または避けがたき出来事に平静を失うなかれ。

(12) 純潔

  性交はもっぱら健康ないし子孫のためにのみ行い、これに耽りて頭脳

 を鈍らせ、身体を弱め、または自他の平安ないし信用を傷つけるがごと

 きことあるべからず。

(13) 謙譲

  イエス、およびソクラテスに見習うべし。

 この十三徳の順序は、1番から順に身につけていくごとに、次の徳を身に着けやすくなるよう並べている。

 基本的には1番の節制から取り組んで、徳を強化していくものだ。

  ここで書かれる十三徳はどんな国、どんな社会であっても”徳”として共通する価値観だと思う。

 それこそ道徳の教科書に書かれているような内容で

   常識

である。

 多分誰がこの本を読んでも、真新しく、斬新で、衝撃的なことは書かれていない。

 誰もがどこかで聞いたことのある、当たり前のことが書かれているに過ぎないのだ。

 

 だが、だからこそこの本には価値がある。

 先に挙げた十三徳は常識といっていい。

 しかし、あなたの周りの人間で、この徳を全て実践できている人が一人でもいるだろうか。

 残念ながら、私はこれまでそんな人間に会ったことがない。

 徳とは常識。

 しかし実践は極めて困難。

 その困難に人生をかけて立ち向かったフランクリン。

 その生き様に私は心動かされるのだ。

3.自己啓発本は厳選した良書を極めろ

 自己啓発本やビジネス書と呼ばれる本は、一体年間どれだけの数刊行されているのだろう。

 どんなに時間のある人でも、それらの本を全て読みきるなど困難であり、ましてそれらをしっかりと見に付け、実践するなど不可能だろう。

 だからこそ厳選した良書を徹底的に読み込むべきだ。

 その一冊にこの「フランクリン自伝」は値する。

 

 とはいえ、最初にこの本を読んだ段階では退屈に感じるかもしれない。

 私もそうであったが、他の本を散々読んでいると、いくつかの本でこの自伝が引用されていることに気づくのだ。

 そうしてあるとき、この本の凄さに気づく、かもしれない。

 

 今回は全体のざっとした紹介に留まってしまった。

 次回からは十三徳を順番に解説しつつ、私が不動産大家としての成功を目指す上で、どう習慣に組み込んでいるのか、などを書いていきたい。

 

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