壁の漆喰塗り②:施工について、プロからのアドバイス
前回の記事では漆喰を壁に塗る場合の、コストやメリットなどを検討した。
今回は左官職人さんから得た、漆喰塗りのアドバイスを整理する。
1.塗る壁の下地によって難易度が変わる
どのような下地に塗るのか、この点で施工方法や難易度は大きく違ってくる。
最も楽なのは石膏ボードの下地だ。
漆喰施工の不安要素で大きなものが「アク」である。下地が石膏ボードであればアクが出る心配はない。新品のボードに塗るのが一番楽なのは言うまでもない。その場合でもジョイントやビス穴は石膏用のパテで埋めておく必要がある。ジョイントを漆喰のみで埋めれば、そこから割れる危険性は高い。
壁紙を剥がした後のボードでも施工は可能。ただ下紙は剥がしておく。
石膏ボードのジョイントや入隅などは、ひび割れ率が高い。メッシュテープを貼り、パテで上塗りしておくことである程度は防ぐことができる。
ただ大壁構造だと、プロが施工したとしても時間経過でヒビは入るものらしい。その旨、客にも納得させた上で施工しているようだ。
ひび割れの原因は、大壁の場合全ての壁が繋がっていることで、柱などが収縮する際に壁もまとめて動くからだ。真壁であればそれぞれのボードが柱で遮断されているため、その収縮が最小限で済む。
下地が木製の合板や、砂壁の場合は「アクどめ」が必須。ホームセンターに売っているものなら「アクドメール」などを塗る。
職人が使っている部材は、ホームセンターでは扱っていないことが多い。左官用の建材屋があるので、そこで買うべし。ネットで買うよりも、各部材について詳しく施工方法を教えて貰えるので、まずは訪ねて色々聞いてみる。
漆喰やアクどめ剤にも様々な種類があり、それぞれの使い方は建材屋さんに確認するのがベスト。
2.施工上の注意点
・養生関係
施工前には入念な養生が必須。巾木などに漆喰が付着すると変色して直らない。
マスキング時は塗る漆喰の厚み分空けてテープを貼る。漆喰の奥にテープを巻き込むと、剥がす際漆喰ごと落ちることがある。
・コテ関係
使うコテは四角の塗りコテがあれば十分。大きさは200mm程度。
材質はステンレスが使いやすい。鉄製などはメンテナンスを怠ると、すぐに錆びる。
入隅出隅用のコテを素人が使うのは難しい。隣り合う面を同時に施工せず、一面が乾ききってから隣の面を施工する。そうすれば角がキレイに出る。
・漆喰の塗り方
水と漆喰を混ぜるときの割合や粘度は体で覚えるしかない。プロは季節によって水と漆喰の割合を変える。
漆喰の壁は、平らにしようとするなら二度塗りが必須。一度目の塗りが乾く前に二度目も塗らなければならない。
その制限時間は、夏なら一度目を塗ってから10~15分以内、冬でも30分以内。
この時間内の施工は素人には困難。二度目を塗るのに時間がかかってしまうと、一度目の面と二度目の面の間に空気が溜まる。
次の日にその膨らみを上から叩き、空気を抜いてリカバリーするらしい。
素人がまず挑戦するなら、一度塗りで終わらせる方法が良い。
多少漆喰を厚めに塗って、面を平らにはせず、コテで模様付けをする。
同じ部屋内で壁紙と漆喰を組み合わせることも可能。壁四面の内一枚だけを壁紙にする場合、先に壁紙を貼っておく。その後漆喰でその面を挟み込むようにする。
3.今後の方針
まずは近くの建材屋を訪ね、適切な部材を購入するところから始めたい。その上で施工に移る。
恐らく最初は手酷いミスをするだろうから、ミスが目立ちにくいトイレの壁などから手を付ける。コツを掴んだらキッチンの壁を仕上げていく。適宜職人さんにアドバイスを求め、フィードバックを受ける。
今回の得たアドバイスを実践できれば、ある程度の出来にはなると思う。とにかく挑戦するしかない、そうすれば色々学べて成長できる。
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